ジャイナ教の祖師像の手には、
人々により米が供えられている。
それを求めて野鳥が群がっていた。
不殺生を説くジャイナ教の教えを
象徴するような平和的な情景だと感じた。
ジャイナ教の祖師像は、無所有を表す
裸像なのが仏像との違いである。
眠り(P30)2022年
小舟と砂州(F8)2022年
ひるね(P8)2022年
階段井戸は、西インドの乾燥地に多数作られている。
階段で地下に下りていくこともできるが、
慣れていないと怖かった。この階段井戸は、
ラジャスタン州、ジョドプールで見たものである。
乾いた土地に深くためられた水の色が魅惑的だった。
階段井戸(P25)2022年
餐(P10)2022年
プリ―の浜辺(S3)2022年
ラジャスタン州、チットルガルにある城の中を通る道である。
写生に行き詰まっていた時に偶然通ったところ、
急に空と大地しかない風景に出会い解放感があった。
粗い辰砂と薄くといた胡粉を使って、強い日差しの
下の乾燥した大地を描いた。
白い道(P60)2022年
白いリンガム(3F)2020年
供華(10M)2020年
舟上の祈り(4F)2020年
ガンジス河の聖地の多くでは、対岸より朝日が昇る。
つまり、河が南北に流れる場所に聖地が作られてきた。
河岸には菩提樹がよく植えられている。
この絵では、朝日を浴び逆光になった菩提樹の枝を、
金泥と墨で表現した。
朝暘(S4)2020年
ガンガーの果実(130×60cm)2020年
ウダイプールの空2023年
夜明けのガート(130×60cm)
尼連禅河払暁(WSM)2022年
夜明け前の尼連禅河を訪れた。乾期に入る前の時期で、河の水は幾筋にも分かれて蛇行しながら流れていた。しかし、その行く先を見ると、流れが合流してやがて一つとなっていった。ブッダは右上の山(前正覚山)で苦行をされた後、下山してこの河で沐浴し、その後ブッダガヤの菩提樹の下で覚りを得られたという。
インド・ムンバイにあるマーカリ石窟寺院に彫られた仏像を描いた。中央に如来像、その両脇に菩薩像、また右端は如来像と思われる。異教徒により、頭部や印を結ぶ手は破壊されている。それでもなお像は美しく、制作者の信仰心を今に伝えていた。
石窟仏(F10)2021年
ガンジス河の聖地ハリドワールに、
巨大なベンガル菩提樹が茂っていた。
蛇が巻き付いたかのような幹、
枝から垂れ下がった気根が
少し不気味でもあった。
その木の下で、若い男を年老いた男が
諭すところをみた。
不安にかられ落ち込む男を、
老いた男がなぐさめているようであった。
老木がその二人を静かに
包み込んでいるようだった。
樹下問答(8F)2020年
バナナは芭蕉科の植物で、インドでもよく見かけた。木ではなく草だが高さが2~3m程あり、四方に大きな葉を茂らせている。その葉がつくる陰は、小さな生き物に憩いの場を作っていた。
緑陰(10M)2021年
花とリンガム(F6)2020年
ベンガル菩提樹(S4)2020年
インド・ラジャスタン州ジョドプールの街は「ブルーシティー」と呼ばれる程、水色に塗られた建物が多い。インドの建物は鮮やかな色に塗られていることが多いが、気候や人々の生活ととても調和していて美しい。
青い壁(10M)2017年
生う(S20)2020年
河(F30)2017
人々は、ガンジス河に祈る際、様々なものを供物として捧げる。中でもバラやマリーゴールド、菊などの花々は、色鮮やかで美しい。
人々の願いが込められた供物がつくるよどみは、万華鏡のように華やかだった。
流灯散華(50F)2020年